一生のうちに、一度知りたかった書店の中の世界。
あの高尚な静寂に、どれほど憧れたでしょう。
甘かった!
当時38歳、すっかりいい大人に新たな世界があったのでした。
高尚?
静寂・・・。
バックヤードは
飛び交う声と
一秒を争う、体育会系の動き。
筋肉と、脚力が発達し、おまけに新陳代謝があがったようで
食べようが飲もうが、太りません。
体力勝負なので、痩せてはついていけません。
毎朝の大量入荷に、チームで応戦していました。
私の生き方に、この日々が活かされて今日があります。
幼いころから大好きだった本。
大人になりかけた時に大好きだった作家さん。
ひとりで泣きたいときに、助けられた一節。
だから今日も本がそばにあります。
書店員は
「お客さまの手もとに、書籍をとどける最後の担い手」
誇りをもって働く意味を、ここではじめて知りました。
でも、想像をこえた現場です。
たとえば?
雑誌の付録って95パーセント、現場で手作業でつけています。
次回へつづく。